2017年04月01日

3月の読んだ本

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2467ページ
ナイス数:203ナイス

ジャイロスコープ (新潮文庫)ジャイロスコープ (新潮文庫)感想
7編の短編集。バラエティに富んだお話たちでとても楽しめました。「if」「一人では無理がある」「後ろの声がうるさい」が特によかったのですが、一番ハマったのは「ギア」のセミンゴかも!いたら怖い。でも伊坂さんのお話に出てくると「そういうのもいるかもね」と思えてしまう。バラバラなお話たちを、文庫書き下ろしの最後の「後ろの…」でなんとなく繋がりを持たせてしまうのはさすが。
読了日:3月31日 著者:伊坂幸太郎
追想五断章 (集英社文庫)追想五断章 (集英社文庫)感想
5つのリドルストーリーを並べ、並べることによって別の物語を語る…とても凝った構成で面白かったです。米澤穂信さんの、洗練された、どこか突き放すような切れ味のある文章は独特の雰囲気をまとっていて、物語に読み手を引き込む魅力がありますね。向き合えない父と娘、「やはり生きている間に話をするべきだったと、いまは思います。」、切なくなりました。
読了日:3月25日 著者:米澤穂信
ブラックボックス (朝日文庫)ブラックボックス (朝日文庫)感想
いやいや、ものすごかった。圧倒的な筆力は、ノンフィクションなんじゃ?と思わせる恐ろしげな雰囲気をまとっていました。思わず我が家の食卓に並ぶ野菜はどう?と思ってみたり。絶対安心安全なはずのものが、拍子抜けするほど低レベルな人為的ミス、機械の故障、自然災害によって危険なものにとって変わる…その経緯は本当に読んでいて恐ろしかったです。「絶対に安心、安全なんてものはない」と思ってた方が、おそらく人間らしい生活ができるんでしょうね。
読了日:3月22日 著者:篠田節子
凍原凍原感想
先に文庫本を読んでいるので、構成や内容、それぞれの違いを確かめるように拾って読みました。文庫本ではかなり大胆に手を加えられているのだなということが分かり、興味深かったです。どうしても先に読んだ方(文庫本)がインパクトを持つんですけど、こちらの単行本を先に読んだとしても、ずしりと重たい話におそらく打ちのめされたのではないかと。いずれにしてもこの『凍原』は、どう読み解くか、きちんと読み解くことができるのか、しばらく時々思い返すことになる作品になると思います。
読了日:3月18日 著者:桜木紫乃
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)感想
バレー部の桐島が部活やめたらしいよ?という噂が、5人の高校生活に大なり小なり波紋を広げていく…いわゆるスクールカーストが当人たちによる「そういうもんじゃね?」という諦めや開き直りを塗しながら語られ、学校という世界に守られたこの年代特有の危うさ、脆さ、眩しさが瑞々しく描かれています。(それにしても朝井さんはなぜ女の子の心理描写がこんなにもうまいのか)「前田涼也」「菊池宏樹」の章が特に印象的でした。
読了日:3月17日 著者:朝井リョウ
氷の轍氷の轍感想
どっぷりと桜木紫乃さんの世界にはまる読書でした。独特の寂寥感、諦念、寄る辺なさ、それでいてたくましく、慎ましく生きる人たちの人間ドラマでした。「それぞれが持って生まれた性分で世の中を泳いでゆくしかないのだとしたら、人と人との関わりとはなんと残酷なものだろう」、刺さりました。こんなにも人の心に何かを残す文章を紡ぎ出す桜木さんの確かな筆力。人の感情だけはどうにもならない、根底に流れてるテーマは、とても身近なものなのですよね。
読了日:3月14日 著者:桜木紫乃
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)感想
過酷な戦後の混迷期に起きたある事件の関係者が、その後の人生の延長線で再び交差し絡み合い、別の事件が起こる…「誰かのついた嘘が歴史になってしまう土地の、真の歴史とは何だろう。」、釧路、室蘭、札幌、留萌と地道に捜査する過程は、松本清張の作品を彷彿とさせます。命がけで大切な人を守り、秘密を抱える女性ふたりが共感し、「バトン」を渡し、その結果がこれなのか。やり切れない。「死ぬよりつらいお詫びの方法」、顔のない女はその後何を思って生きるのか。「人の心は手に負えない」、いくつかの壮絶な人間ドラマでした。
読了日:3月4日 著者:桜木紫乃

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