読書メーター

8月の読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1762
ナイス数:183

クラウドクラスターを愛する方法 (朝日文庫)クラウドクラスターを愛する方法 (朝日文庫)感想
窪美澄さん安定の読後感、よかったです。家族とは非常に厄介でややこしい集合体だなあと、私自身も最近思っていること、感じていることに重ねながら読んでいました。表題作は特に、自分と母との間にある問題?を嫌でも考えさせられました。(我が強すぎる私の母こそクラウドクラスターと密かに呼びたい)窪さんのはどの作品でもそうですが、ラストでは認めることができたり少し気持ちが上向いたり一歩踏み出せそうだったりと、何らかの希望を感じられるのがいいですね。
読了日:08月30日 著者:窪 美澄
舞台 (講談社文庫)舞台 (講談社文庫)感想
西さんは、抉られたくない生々しい部分をがっつりと抉り取ってお話にするのが本当にうまいなあと思います。自意識にがんじがらめになってる葉太はやや極端で、窮地だというのに滑稽にしか見えないけど、人は自分のため体裁のため、または思いやりなどから「何かを演じてる」というのは多々あるなあと、私自身や身の回りの人を思い浮かべて読んでいました。終盤の「どうして最後まで嫌いでいさせてくれなかった。」のくだりは鳥肌が立って泣けました。
読了日:08月26日 著者:西 加奈子
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)感想
「え?」という驚きとため息、放り出されたような読後感。ずっと不穏だし、全然共感できなくて気持ち悪いし、薄気味悪いし、それなのに読む手を止めることができませんでした。『ユリゴコロ』もそうでしたが、独特の世界。どこに連れて行かれるのだろうとは思ったけど、読み始めた時にはラストでこんなものが見えるとはよもや思いもしませんでした。凄いですね、まほかるさん。
読了日:08月24日 著者:沼田 まほかる
失踪者失踪者感想
よかったです!下村敦史さんの作品は読み応えがあって読後感もいい。終盤になって見えてきたことから自分が想像してた、さらにもう一段上を行くような結末。不器用な男がたった一人の「相棒」に向ける命がけの信頼、素晴らしいラストでした。
読了日:08月08日 著者:下村 敦史
許されようとは思いません許されようとは思いません感想
初読みの作家さんでした。ゾクゾクするのがクセになるのかも…という短編集。「ありがとう、ばあば」はラストでまるで放り出されてしまったような衝撃。「姉のように」は読んでいて辛かったです。表題作の「許されようとは思いません」が怖さも得体のしれない不穏さも悲しさも秀逸でした。
読了日:08月03日 著者:芦沢 央
蚊トンボ白鬚の冒険(下) (講談社文庫)蚊トンボ白鬚の冒険(下) (講談社文庫)感想
藤原伊織さんの作品にしては設定がぶっ飛んでると始めこそ思いましたが、読み進むにつれ、まさに藤原伊織ワールドだ!と思いました。ハードボイルド・ファンタジー、3日間の出来事だけど、濃密で疾走感があって、登場人物が皆魅力的で、ラストはちょっとジーンときちゃって…読みながら映像が頭の中で思い浮かぶようでした。面白かったです。
読了日:08月01日 著者:藤原 伊織

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7月の読んだ本

7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1825
ナイス数:282

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)感想
タイトルから受ける印象は藤原伊織さんぽくなさそうなものでしたが。今作の主人公はくたびれたアル中おっさんではなく、シニカルで肝が据わった若者。そして一風変わった女性、筋を通すヤクザと…ちゃんと藤原さんのハードボイルドな世界でした。会話が相変わらず流れるような美しさとウィットに富んでます。下巻はどうなる?
読了日:07月28日 著者:藤原 伊織
果鋭果鋭感想
元マル暴刑事の堀内・伊達コンビシリーズ3作目。パチンコ業界の裏側を抉り出します。パチンコ業界、警察、天下り、ヤクザ、産廃場…どっぷりと黒川ワールド、圧倒的なリアリティを感じました。怪我をして足が不自由になってからの堀内を何かと気にかける伊達、「刺されるなら俺や」と覚悟する堀内、素晴らしいコンビですね。それにしても悪いやつばっかり、悪対悪でドロドロなはずが、読み終わるとちょっと爽快感もあるから不思議。
読了日:07月17日 著者:黒川 博行
裸の華裸の華感想
最初は少し手こずったんだけど、中盤からはグイグイ引き込まれました。決して明るい物語ではないけどどこかキラキラとした輝きもあって、終わりの予感もあるのだけど不思議とからりとしていて…登場人物が皆魅力的でした。裸一貫で生きる女の矜持…これは再生の物語だなと思いました。ノリカが師匠に会いに行ったくだりが圧巻でした。
読了日:07月07日 著者:桜木 紫乃
誰もいない夜に咲く (角川文庫)誰もいない夜に咲く (角川文庫)感想
桜木紫乃さんの短編は奥行きがあって読み応えがあって本当に素晴らしいなあ。一度読んだら病みつきになる世界観です。北海道を舞台に、どの女性も皆幸せとは決していえない状況だけど、それを嘆くでもなく、ある種の諦念とともに受け入れ、日々を黙って生き抜いていく逞しさをも感じます。『フィナーレ』『絹日和』『根無草』が特によかったです。
読了日:07月05日 著者:桜木 紫乃
雪煙チェイス (実業之日本社文庫)雪煙チェイス (実業之日本社文庫)感想
久々の東野作品、安定の読みやすさでした。このシリーズは東野さん完全に楽しんで書いてらっしゃるのでは?軽いタッチで時々ギャグ?も交えつつ、一気に読ませるところも、スキーしたことない私でも雪山の光景がスッと入ってくるところもやっぱり東野さんすごいなと思います。エンディングではあの2人が…よかったよかったと、楽しい読書でした。
読了日:07月01日 著者:東野圭吾

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6月の読んだ本

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3281
ナイス数:424

政と源政と源感想
久しぶりの三浦しをん作品、満足の読書でした。性格も考え方もまるで正反対の幼馴染の二人、これからもきっとたまに喧嘩しつつも仲良くドタバタ暮らしていくんだろうなあ。源二郎の「だから生きるんだろ」は70年余り生きてきたからこその人生観。国政がとあるお願いをするために別居中の妻に毎日ハガキを書くくだりが大好きです。
読了日:06月25日 著者:三浦 しをん
それを愛とは呼ばずそれを愛とは呼ばず感想
最終章の展開と、タイトルへと導くある人のセリフ、ぞわぞわしました。「愛」と呼ばないのはどれなのか、どれもなのか、愛ではないなら何なのか、「愛しみ(かなしみ)」なのか…限られた登場人物と舞台で、どれもが当てはまるような気もするけど、どれもやはり愛と呼んでいいような気もするし。特にラストの展開は、狂気なのか愛なのか…ちょっと難しい。放り出されたような読後感です。
読了日:06月23日 著者:桜木 紫乃
七つの会議 (集英社文庫)七つの会議 (集英社文庫)感想
面白かった!さすが池井戸潤さん、ぶ厚いボリュームなんてなんのそのです。短編それぞれも面白いけど、それらが重層的に全体のお話を構築し、最後の最後で見えてくる真実には思わず「うわぁ…」と唸ってしまう、そんな圧巻の読み応え。大満足の読書でした。
読了日:06月18日 著者:池井戸 潤
後妻業 (文春文庫)後妻業 (文春文庫)感想
面白くて一気読みでした。黒川博行さんの小説は、ページ数はとてもボリュームがあるけど、グイグイ引き込む力があり、登場人物のキャラ設定も見事で、生き生きと動いて、まるで映画を観ているような感覚を覚えます。また善vs悪ではなく、悪vs悪という構図も黒川作品ならでは。欲の深い人間同士の駆け引きが鮮やかに描かれています。毎回ものすごい量の取材をされるそうですが、誰も得をしない、皆がそれなりに痛い目を見るという結末も何だかリアルです。
読了日:06月17日 著者:黒川 博行
永い言い訳 (文春文庫)永い言い訳 (文春文庫)感想
大切な家族を失った時、人はどうやってその後の人生を生きていくのか…私は亡くなった父のこと、その後の私の気持ちなどを頭のどこかで考えつつ読んでいたように思います。「死が分かつまでは、人間同士は何とかなる」、「喪失の克服はしかし、多忙さや、笑いのうちには決して完遂されない」、この二つの文章が特に胸に刺さってます。読んでよかったです、本当に。
読了日:06月13日 著者:西川 美和
よるのふくらみ (新潮文庫)よるのふくらみ (新潮文庫)感想
グイグイ引き込まれて一気読みでした。窪さんの世界は、本能とか感情とか、いろいろなものがむき出しというか、生々しく描き出されるのだけど、なぜかサラリとしてて。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、不思議な余韻があります。人の心も、人と人との関係も、複雑そうに見えて実は簡素なものなのかもしれませんね。
読了日:06月10日 著者:窪 美澄
だれかの木琴 (幻冬舎文庫)だれかの木琴 (幻冬舎文庫)感想
何も共感できないのにグイグイと引き込まれて一気読みでした。何と言えばいいのか、読んではいけないものを読んでしまったかのような居心地の悪さ。家族でさえお互いの心のうちをさらけ出すことが難しく、そのグロテスクさゆえ正視できず、逃げたりなかったことにしたり。「紙になる」という表現がとても印象的でした。どこの家族にも起こりうることなのかもしれませんね。ちょっと怖かったです。
読了日:06月10日 著者:井上 荒野
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)感想
テーマは重ためだけど、ライトな筆致でスイスイと進む読みやすさ、読後感も暖かくてよかったです。両親とのやりとりのくだり、私の父も同じようなことを言ってくれてたなあと思い出してちょっと泣けました。
読了日:06月09日 著者:北川恵海
喧嘩喧嘩感想
疫病神シリーズ6作目、今回も安定の桑原二宮コンビ、面白かったです。前作で破門され、代紋外して初めて、イケイケだけでは渡っていけないと知り弱気なセリフがちょいちょい出てしまう桑原が新鮮でした。そして二宮くん、もう40になるのか〜としみじみ。ヤクザが食えなくなる時代が近いと感じるのと同様、二宮の仕事も先細りでそろそろ危うい感じ。桑原は嶋田が三代目を継いで無事?復縁したけど、この後どうなっていくのかなあ、次作が楽しみです。
読了日:06月08日 著者:黒川 博行
氷平線 (文春文庫)氷平線 (文春文庫)感想
桜木紫乃さんのデビュー作。風景描写を通して人の感情の機微をも表すというのはデビュー当時からの特徴なのですね。どの短編でも登場人物の置かれた状況は暗かったり辛かったり孤独だったりするんだけど、不思議と生きていく逞しさも同時に感じます。表題作の『水平線』はガツンときました。
読了日:06月03日 著者:桜木 紫乃

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5月の読んだ本

5月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1344
ナイス数:197

ふたりの距離の概算 (角川文庫)ふたりの距離の概算 (角川文庫)感想
面白かったです。タイトルが秀逸。マラソンの最中、ホータローと誰かとの物理的な距離のことでもあり、古典部の誰かと誰か、そのふたりの心の距離でもあり…構成がうまいなあと思いました。省エネのホータローも精神的に成長しましたね。次も楽しみです。
読了日:05月28日 著者:米澤 穂信
遠まわりする雛 (角川文庫)遠まわりする雛 (角川文庫)感想
『氷菓』から順番に読んでますが、なんとなく油断してたら思いの外甘酸っぱくてちょっと切なかったり微笑ましかったりと、ど真ん中の青春ものでした。特にホータローの心の微妙な変化が面白かったですね。次も楽しみです。
読了日:05月23日 著者:米澤 穂信
クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番 (角川文庫)感想
古典部シリーズ3作目、多視点による描写は、登場人物それぞれを深く知ることにもなり、相手に対する思いなども垣間見えたのが新鮮でした。文化祭という独特の高揚感は、なんだかちょっと懐かしさを覚えたり。ぐいぐいと引き込まれて楽しく読めました。面白かったです。
読了日:05月09日 著者:米澤 穂信
愚者のエンドロール (角川文庫)愚者のエンドロール (角川文庫)感想
面白かった!二段にも三段にもなってて、その上さらに奥にもまだあって…みたいな構成、読み応えがありました。軽い感じなのに読ませる力がすごい。さすが米澤穂信さん。登場人物が魅力的で、シリーズ追いかけようって思っちゃいますねこれは。
読了日:05月05日 著者:米澤 穂信

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4月の読んだ本

2017年4月の読書メーター

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:2282ページ

ナイス数:293ナイス



夜行夜行感想

こういう感じの森見さんもいいなあ!と満足の読書でした。夜行列車、百鬼夜行、夜の描写が静かで美しくてゾクゾクしました。その分、ラストの朝の描写が感動的でもありましたね。「夜行」と「曙光」のパラレルワールド、表が裏で、裏が表。「世界はつねに夜なのよ」、「ただ一度きりの朝」、『宵山万華鏡』を彷彿とさせるような世界観。どちらが現実の世界なのか分からなくなる不穏さがクセになるタイプの森見ワールドでした。

読了日:4月30日 著者:森見登美彦
氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想

面白かったです。古典部シリーズの始まりであり、これが米澤穂信さんのデビュー作なのですね。『氷菓』のタイトル、「カンヤ祭」の意味が分かるくだり、こんな方向に導かれるとはまるで思わなかったという感じで切なかったです。『さよなら妖精』でもそうでしたが、登場する高校生の、聡明で魅力的なこと!

読了日:4月28日 著者:米澤穂信
ハードラック (講談社文庫)ハードラック (講談社文庫)感想

ぐいぐい引き込む力はさすが、安定の読みやすさでした。最後の展開は分かったかも〜と思いながら読んでたら違っててびっくり。もしかしたらこういう「ちょっと思慮が足りなくて浅はかな、でも完全に悪者ではない」という人物を描くの、薬丸さんうまいのかも。主人公の置かれた環境やひっ迫した状況は読んでいて辛く重たい。でも逃げずに描く薬丸さんの姿勢は、薬丸作品全体を貫く重要な要素ですね。またラストは温かい感情を呼び起こすような救いも少しあり、薬丸さんの作品ならではといった読後感です。

読了日:4月23日 著者:薬丸岳
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)感想

あ〜とうとうシリーズ完結!今回はシェイクスピアのファースト・フォリオをめぐる何やかんや。私は大学時代シェイクスピア必修で全作品を読んでるので、どの作品で、どんな謎があり、どんな風に栞子さんが解くのだろうと、ものすごーく楽しみにしてて…そういう意味では若干肩透かしな気もしますが、栞子さんと大輔、栞子さんと母・智恵子さんとの関係などをどう結末に導くかという点では、納得の落とし所なのだと思います。シリーズは完結だけど、スピンオフがありそうで、それはまた楽しみ。

読了日:4月15日 著者:三上延
繚乱 (角川文庫)繚乱 (角川文庫)感想

『悪果』に続く堀内・伊達シリーズ2作目。元マル暴刑事が大暴れ、黒川ワールドてんこ盛りで、悪い奴らばっかり!笑 堀内と伊達もそこそこ悪いのに、なぜか憎めないのですね。面白かったです!ラストでまた堀やんが…次もあるかな?楽しみです。

読了日:4月10日 著者:黒川博行
盤上のアルファ (講談社文庫)盤上のアルファ (講談社文庫)感想

『罪の声』がよかったので、デビュー作を読んでみました。事件記者から将棋などの文化担当に左遷されやさぐれてた秋葉が、なんやかんやで真田に心を開いていく過程がよかった。最後の展開は驚き!なるほどね。プロ棋士への道のりの険しさ、プロになってからもなお続く勝負の世界の厳しさ…題材が深いので、今の塩田さんが描いたらこのお話はどんな風になるのかな〜と思ったり。他の作品も読んでみたいと思います。

読了日:4月5日 著者:塩田武士


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