読書メーター

4月の読んだ本

2017年4月の読書メーター

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:2282ページ

ナイス数:293ナイス



夜行夜行感想

こういう感じの森見さんもいいなあ!と満足の読書でした。夜行列車、百鬼夜行、夜の描写が静かで美しくてゾクゾクしました。その分、ラストの朝の描写が感動的でもありましたね。「夜行」と「曙光」のパラレルワールド、表が裏で、裏が表。「世界はつねに夜なのよ」、「ただ一度きりの朝」、『宵山万華鏡』を彷彿とさせるような世界観。どちらが現実の世界なのか分からなくなる不穏さがクセになるタイプの森見ワールドでした。

読了日:4月30日 著者:森見登美彦
氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想

面白かったです。古典部シリーズの始まりであり、これが米澤穂信さんのデビュー作なのですね。『氷菓』のタイトル、「カンヤ祭」の意味が分かるくだり、こんな方向に導かれるとはまるで思わなかったという感じで切なかったです。『さよなら妖精』でもそうでしたが、登場する高校生の、聡明で魅力的なこと!

読了日:4月28日 著者:米澤穂信
ハードラック (講談社文庫)ハードラック (講談社文庫)感想

ぐいぐい引き込む力はさすが、安定の読みやすさでした。最後の展開は分かったかも〜と思いながら読んでたら違っててびっくり。もしかしたらこういう「ちょっと思慮が足りなくて浅はかな、でも完全に悪者ではない」という人物を描くの、薬丸さんうまいのかも。主人公の置かれた環境やひっ迫した状況は読んでいて辛く重たい。でも逃げずに描く薬丸さんの姿勢は、薬丸作品全体を貫く重要な要素ですね。またラストは温かい感情を呼び起こすような救いも少しあり、薬丸さんの作品ならではといった読後感です。

読了日:4月23日 著者:薬丸岳
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)感想

あ〜とうとうシリーズ完結!今回はシェイクスピアのファースト・フォリオをめぐる何やかんや。私は大学時代シェイクスピア必修で全作品を読んでるので、どの作品で、どんな謎があり、どんな風に栞子さんが解くのだろうと、ものすごーく楽しみにしてて…そういう意味では若干肩透かしな気もしますが、栞子さんと大輔、栞子さんと母・智恵子さんとの関係などをどう結末に導くかという点では、納得の落とし所なのだと思います。シリーズは完結だけど、スピンオフがありそうで、それはまた楽しみ。

読了日:4月15日 著者:三上延
繚乱 (角川文庫)繚乱 (角川文庫)感想

『悪果』に続く堀内・伊達シリーズ2作目。元マル暴刑事が大暴れ、黒川ワールドてんこ盛りで、悪い奴らばっかり!笑 堀内と伊達もそこそこ悪いのに、なぜか憎めないのですね。面白かったです!ラストでまた堀やんが…次もあるかな?楽しみです。

読了日:4月10日 著者:黒川博行
盤上のアルファ (講談社文庫)盤上のアルファ (講談社文庫)感想

『罪の声』がよかったので、デビュー作を読んでみました。事件記者から将棋などの文化担当に左遷されやさぐれてた秋葉が、なんやかんやで真田に心を開いていく過程がよかった。最後の展開は驚き!なるほどね。プロ棋士への道のりの険しさ、プロになってからもなお続く勝負の世界の厳しさ…題材が深いので、今の塩田さんが描いたらこのお話はどんな風になるのかな〜と思ったり。他の作品も読んでみたいと思います。

読了日:4月5日 著者:塩田武士


読書メーター


3月の読んだ本

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2467ページ
ナイス数:203ナイス

ジャイロスコープ (新潮文庫)ジャイロスコープ (新潮文庫)感想
7編の短編集。バラエティに富んだお話たちでとても楽しめました。「if」「一人では無理がある」「後ろの声がうるさい」が特によかったのですが、一番ハマったのは「ギア」のセミンゴかも!いたら怖い。でも伊坂さんのお話に出てくると「そういうのもいるかもね」と思えてしまう。バラバラなお話たちを、文庫書き下ろしの最後の「後ろの…」でなんとなく繋がりを持たせてしまうのはさすが。
読了日:3月31日 著者:伊坂幸太郎
追想五断章 (集英社文庫)追想五断章 (集英社文庫)感想
5つのリドルストーリーを並べ、並べることによって別の物語を語る…とても凝った構成で面白かったです。米澤穂信さんの、洗練された、どこか突き放すような切れ味のある文章は独特の雰囲気をまとっていて、物語に読み手を引き込む魅力がありますね。向き合えない父と娘、「やはり生きている間に話をするべきだったと、いまは思います。」、切なくなりました。
読了日:3月25日 著者:米澤穂信
ブラックボックス (朝日文庫)ブラックボックス (朝日文庫)感想
いやいや、ものすごかった。圧倒的な筆力は、ノンフィクションなんじゃ?と思わせる恐ろしげな雰囲気をまとっていました。思わず我が家の食卓に並ぶ野菜はどう?と思ってみたり。絶対安心安全なはずのものが、拍子抜けするほど低レベルな人為的ミス、機械の故障、自然災害によって危険なものにとって変わる…その経緯は本当に読んでいて恐ろしかったです。「絶対に安心、安全なんてものはない」と思ってた方が、おそらく人間らしい生活ができるんでしょうね。
読了日:3月22日 著者:篠田節子
凍原凍原感想
先に文庫本を読んでいるので、構成や内容、それぞれの違いを確かめるように拾って読みました。文庫本ではかなり大胆に手を加えられているのだなということが分かり、興味深かったです。どうしても先に読んだ方(文庫本)がインパクトを持つんですけど、こちらの単行本を先に読んだとしても、ずしりと重たい話におそらく打ちのめされたのではないかと。いずれにしてもこの『凍原』は、どう読み解くか、きちんと読み解くことができるのか、しばらく時々思い返すことになる作品になると思います。
読了日:3月18日 著者:桜木紫乃
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)感想
バレー部の桐島が部活やめたらしいよ?という噂が、5人の高校生活に大なり小なり波紋を広げていく…いわゆるスクールカーストが当人たちによる「そういうもんじゃね?」という諦めや開き直りを塗しながら語られ、学校という世界に守られたこの年代特有の危うさ、脆さ、眩しさが瑞々しく描かれています。(それにしても朝井さんはなぜ女の子の心理描写がこんなにもうまいのか)「前田涼也」「菊池宏樹」の章が特に印象的でした。
読了日:3月17日 著者:朝井リョウ
氷の轍氷の轍感想
どっぷりと桜木紫乃さんの世界にはまる読書でした。独特の寂寥感、諦念、寄る辺なさ、それでいてたくましく、慎ましく生きる人たちの人間ドラマでした。「それぞれが持って生まれた性分で世の中を泳いでゆくしかないのだとしたら、人と人との関わりとはなんと残酷なものだろう」、刺さりました。こんなにも人の心に何かを残す文章を紡ぎ出す桜木さんの確かな筆力。人の感情だけはどうにもならない、根底に流れてるテーマは、とても身近なものなのですよね。
読了日:3月14日 著者:桜木紫乃
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)感想
過酷な戦後の混迷期に起きたある事件の関係者が、その後の人生の延長線で再び交差し絡み合い、別の事件が起こる…「誰かのついた嘘が歴史になってしまう土地の、真の歴史とは何だろう。」、釧路、室蘭、札幌、留萌と地道に捜査する過程は、松本清張の作品を彷彿とさせます。命がけで大切な人を守り、秘密を抱える女性ふたりが共感し、「バトン」を渡し、その結果がこれなのか。やり切れない。「死ぬよりつらいお詫びの方法」、顔のない女はその後何を思って生きるのか。「人の心は手に負えない」、いくつかの壮絶な人間ドラマでした。
読了日:3月4日 著者:桜木紫乃

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2月の読んだ本

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2285ページ
ナイス数:304ナイス

無垢の領域 (新潮文庫)無垢の領域 (新潮文庫)感想
日々の断片的な出来事を、秋津、伶子、林原の視点で描いてあります。展開自体は想像できるものでしたが、その過程での細やかな心理描写と、内面の変化や行動が印象的でした。日々、見たくないものには蓋をして、できるだけ答えを引き延ばして生きる大人の狡賢さと、純香の純粋な行動と問いかけ、その対比により、心理描写がより際立っているように感じました。桜木さんの、言葉を限界まで削ぎ落として、すぱっと潔い文末も美しかったです。
読了日:2月25日 著者:桜木紫乃
ラブレス (新潮文庫)ラブレス (新潮文庫)感想
素晴らしかった!桜木紫乃さんの凄まじい筆力。百合江と一緒にその人生を歩んでいるような、圧倒的な臨場感をもっての読書でした。一人ひとり見事に描き出されていて、お話の中でみんな懸命に生きていました。中でも百合江の母ハギの、大福を食べるくだりは鳥肌が立つ思いがしました。本の中の人間の人生が読んでいくに従ってこんなにリアルに浮かび上がってくるなんて…桜木紫乃さん、すごい。
読了日:2月20日 著者:桜木紫乃
硝子の葦 (新潮文庫)硝子の葦 (新潮文庫)感想
期待を裏切らないですね。素晴らしかったです。大好きな桜木紫乃さんの世界にどっぷりハマっての読書でした。文章が潔く削ぎ落とされていて、詩のように美しいのが印象的でした。キツい部分もありましたが、私はこういう感じのお話、大好きです。
読了日:2月17日 著者:桜木紫乃
風葬 (文春文庫)風葬 (文春文庫)感想
私はこの独特の閉塞感とかやり切れなさとか、桜木紫乃さんの世界がやはり大好きだなあ。全部を言葉で表現しきってしまわないさじ加減とか、景色に語らせるところとか、絶妙です。「この海を美しく見るも見ないも自身の心ひとつというのなら、この世はなんというあやふやなもので成り立っているのだろう」、素晴らしい文章だなと思います。
読了日:2月14日 著者:桜木紫乃
愚行録 (創元推理文庫)愚行録 (創元推理文庫)感想
インタビュー形式と、その間に挟まる独白形式。どこにたどり着くのか分からないままラストを迎えて、え?そうなの?ええーっ!となりました。貫井さん、恐るべし。人が人に抱くネガテイブな感情、そしてそれを正当化しようとする時に垣間見えるドロっとした本心、それらをあぶり出す「見事なイヤミス」でした。
読了日:2月11日 著者:貫井徳郎
本日は、お日柄もよく (徳間文庫)本日は、お日柄もよく (徳間文庫)感想
清々しい気持ちで読了。とても面白かったです。言葉が持つ力、宿る魂、伝わる情熱…言葉は大切に使わなければいけないと改めて思いました。同時に、久美さんの「スピーチは魔法じゃない。スピーチがすべてを変えたなんて思い上がらないこと」という言葉も肝だなと思いました。
読了日:2月5日 著者:原田マハ
君の膵臓をたべたい君の膵臓をたべたい感想
一見、猟奇的な印象の「君の膵臓をたべたい」というフレーズを、2人の間だけで通じる愛の言葉に昇華させたのは見事。そして当たり前に「生きる」ということを、こういう視点から描くというのも。いろいろ?な点はあるものの、桜良のセリフで胸に響いたものもいくつか。主人公の成長をもって迎えるラストも爽やかでした。ただ、残念ながら私には合わなかった。会話が回りくどく感じて感情移入できず。序盤でそう感じてしまい、ついラストを先に読んで、後ろから遡りつつざっくりと読むという禁を犯してしまいました。
読了日:2月2日 著者:住野よる

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1月の読んだ本

2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2665ページ
ナイス数:302ナイス

陸王陸王感想
面白かったー!ハラハラドキドキさせられて、熱い思いに触れて目頭が熱くなる…何度もそういう場面があり、本当に楽しい読書でした。ビジネス的なところでいえば、会社の利益を追求することは悪ではないと思うんですよね。そういう意味でアトランティスの小原や佐山も、銀行の家長や大橋も会社の利益を優先しただけ。そういう中で池井戸さんが描き出すのは「人としてのあり様、姿勢」で、やっぱり人間だもの、熱い思いとか義理人情に触れると、心が揺さぶられます。100年ののれんを背負うということ、宮沢のあの決断はあっぱれでした。
読了日:1月30日 著者:池井戸潤
望み望み感想
素晴らしかった。読後しばし気持ちを持っていかれた感じでずしーんときてます。少年犯罪の関係者が置かれる難しい立場、望みなき望み…家族の丹念な心理描写は見事でした。作品を通して問いかけてくるものの大きさは、同じ親の立場として震えがきそうなほど。ああ、すごいものを読んだなあ!という気持ちです。
読了日:1月26日 著者:雫井脩介
海の見える理髪店海の見える理髪店感想
喪失と再生、胸が痛むけど少し救いも感じられる家族にまつわる短編集、どれも読みやすく、よかったです。表題作『海の見える理髪店』が秀逸。語りの形も、まるでそこで聞いているかのような臨場感があり、よかったです。他に『いつか来た道』『遠くから来た手紙』も好きな感じでした。
読了日:1月22日 著者:荻原浩
破門 (角川文庫)破門 (角川文庫)感想
面白かったー!毎回このシリーズはどっぷりとその世界を味あわせてくれますね。イケイケの桑原も、建設コンサルの二宮も、条例の煽りを受けて左前なのが何とも哀愁を感じる今作、いつものイケイケ桑原が本家筋と込み合ってしまってさあ大変、いやもう本当に楽しませてもらいました。お互い何やかんや言いつつも一緒に駆けずり回る様は、もう名コンビそのもの。映画も楽しみです。
読了日:1月20日 著者:黒川博行
沈黙 (新潮文庫)沈黙 (新潮文庫)感想
映画に備えて再読。神はなぜこんな試練を与えるのか、これだけ犠牲を払っても、なぜいつも黙っているのか、万一神がいなかったならば…ロドリゴの心理描写はドラマティックで緊迫感がありました。フェレイラが司祭に転ぶよう悟す場面はその最高潮。「踏むがいい。その痛さと苦しみをわかちあう。そのために私はいるのだから」この落とし所、とてつもなく深い。理不尽と暴力が支配する現代に、これほど普遍性のあるテーマを投げかける小説は、キリスト教徒だけでなく、いかなる人の心にも沁み入るのではないかしら。
読了日:1月16日 著者:遠藤周作
彼女に関する十二章彼女に関する十二章感想
何気ない日常を切り取ったようでいて、初恋の人の忘れ形見、調整さん、息子の恋人、夫の抱えた仕事などのスパイスが効いて、ユーモアもあるけどサラリと深い部分にも触れていたり…同年代(少し聖子さんの方が年上)で共感する部分も多く、とても面白かったです。「考へてみれば簡単だ/畢竟意志の問題だ/なんとかやるより仕方もない/やりさへすればよいのだと」確かにミドルエイジ応援小説、特に十二章がよかったです。聖子さんの、地に足のついた精神的余裕のある50代、素敵だなと思いました。
読了日:1月13日 著者:中島京子
去就: 隠蔽捜査6去就: 隠蔽捜査6感想
ブレない署長、竜崎節健在!面白かったです。特別監察のくだりはドキドキしましたが…そういうことで『去就』というタイトルだったのですね。「小者には腹も立たない」、竜崎署長、かっこいい!清々しい読後感でした。
読了日:1月9日 著者:今野敏

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2016年の読んだ本

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目標は漠然と年間で100冊とか思ってますが、
私の場合、毎月コンスタントに頑張らないと100冊は難しい。
今年はあえて冊数の目標は掲げず、これが読みたい、この作家さんのを読んでいきたい、
そういう感じで読んでいきたいと思います。